右は海 左は山
長い上り坂に少しの下り坂
歩いても歩いても
先が見えない道のり


正午にスタートして
真上にあったお日様も
少しずつ海に近づく


残り5km
余裕の息子に
必死について行く私


ボソッと息子が言う
「俺今までゴールテープ
切ったことがない」


もうすぐ28km
係りの人が
ゴールテープを引く


目の前で息子がテープを切る


それを見て
私の目頭が熱くなる



足は痛みが麻痺してる
体はロボットのよう
でも疲れきった体とは
正反対に心は満たされている



「今度はいつか
何でもいいから1番で
ゴールテープを切りたい」
そう言った息子の瞳は
キラキラしてた