「…何とも言えません…」
「………っ」
風間の言葉に、誠は思わず腕で顔を隠した。
風間はそんな誠から視線を遠くに移す。
「先生っ……」
震える誠の声に、風間は静かに誠へと視線を戻す。
顔を覆った誠の腕が小さく震えている。
「先生っ……千夏は……もう…俺を愛してくれないんでしょうか…っ」
「……っ」
誠の震える言葉が…風間の胸に刺さった。
記憶より想い出より
忘れられたくない……想い…。
彼は今どれだけ怖いのだろう…。
風間はいたたまれない気持ちになった。
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