カチャ…


「お、何だ起きてたのか?」


濡れた髪をタオルでわしわしと乾かしながら誠さんが問い掛ける。


「…ん。何だか…眠れなくて…」


「あっ!千夏~また髪半渇きのまま寝ようとしただろ~!」


まるで、いたずらした子供を見つけたみたいに言う。


「へへ……」


私もまた、いたずらが見つかってしまった子供みたいに笑った。


「ほら、乾かしてやるからこっち来いっ」


タオルを頭に乗せたまま私を手招きする。






私はなんだか

すごくすごく嬉しかった。