『肉じゃが 材料…』 千夏さんが書いた…料理のレシピだ…。 冷蔵庫に貼られた、何も挟んではいないマグネット。 そこに再び挟み込もうとして、その手を止めた。 写真もカレンダーも、本当の千夏さんを思い出すものは、全て片付けていた誠さん。 きっと他のものを片付けているうちに、ヒラリと冷蔵庫の下に舞い落ちてしまったのだろう。 まるで 忘れてしまわないでと 本当の私を忘れないでと どこかに仕舞われることを拒むように、誠さんの手をすり抜けたこのメモに 少し胸が痛んだ。