「も、やだ・・・」

逃げてばっかりじゃダメなのに、

どうしても伝えられない。

やっぱり無理。

だけど沙綾と約束したんだ。

あの日。



「私もこのままで言いなんて

思ってないから。

秀と別れる」

「え、ちょ鈴音!」

「反対する?」

「だって、拓真君はその・・・」

沙綾の言いたいことはわかる。

私が一番じゃないかもしれない。

遊ばれてるだけかもしれない。

それでも私は彼を愛してしまった。

会えないかもしれない。

騙されてるかもしれない。

それでも良いと思ってしまった。

「遠距離恋愛と向き合おうって

沙綾の言葉で思えたんだよ」

しばらく沙綾はうつむいたが

顔を上げて言った。

「・・・わかった。応援する。

辛くなったらすぐ言って」



そう言ってくれた。

月翔も竜歩も聞いたらなんて

言うのかな。

嫌われちゃうのかな。

そうだ私、壊したくないんだ。

今のこの友達関係を。

とても楽しくて毎日がキラキラ

して見える。

それはこの4人が本当に大好きで

私の素でいられる大切な場所だから。

私と秀の間に愛がなくなったら

友情も消えちゃうの?

そんなわけないよね?

ずっと一緒にいたもん。

大丈夫だよね、秀に気持ちを伝えても

大丈夫だよね・・・。