一週間前秀との記念日を迎えた私。

そして今日は12月24日。

恋人がいる人にとっては最高の

イベントなんだよね。

でも私はなんにも嬉しくない。

いつもどおりただなんとなく

学校へ向かう。

教室に入ると、沙綾がもう来ていた。

「鈴音・・・それ」

沙綾の指差した方向は私の机。

そこには小くてかわいい紙袋が

置かれていた。

その持ち主はどこにいるんだろう?

教室にはいないようだった。

私はその紙袋を手にする。

開くと、私の大好きなピンク色をした

腕時計が入っていた。

そして手紙が添えられていた。

“鈴音

普段は照れくさくてあんま

言えないけど、俺お前のこと

愛してるよ。

これからもよろしくね!

秀”

これからも・・・。

その文字を見た瞬間私の目には

涙が溢れた。

秀にもらったクリスマスプレゼントを

乱暴に鞄に放り込んで私は

教室を飛び出した。

「鈴音っ!」

沙綾が私を呼び止めたけど

私は振り返らずに保健室へ走る。

「痛い・・・」

心が痛かった。

私は決心していた。

一週間前沙綾に全てを打ち明けた時、

秀との別れを。

だが、今日まで言えずに

クリスマスまで迎えてる。