目の前の雪結は苦しそうに、顔を歪ませていた。 痛みを緩める注射を雪結が嫌がったからだ。 注射をすれば副作用で、酷い眠気に襲われる。 それを知っている雪結は注射を嫌がった。 「もう、手の尽くしようが無い。」 さっき、廊下で担当医が呟いた。