【物語の最後は
わからないけれど】




ある日、少年は少女の
『特別な人』になりました。





~1番~
昔々、遠い昔、
2人は出会いました。

勇気がなくて
いつも弱気で内気な少女と、

人気があって
いつも強気で元気な少年。

これが、
物語のはじまりでした。



仲良しな2人に、
別れが訪れました。

最初の運命の歯車が
動いたのです。




「もしも物語の
お姫様ならば

いつか王子様と
ハッピーエンドなの?」

そんなメルヘンを夢見る
弱気な少女。

『オレが物語の
王子様ならば

いつもお姫様と
ハッピーライフだろ。』

メルヘンを否定しそうな
強気な少年。

2人にハッピーエンドは
やってくるのでしょうか?






~2番~
数年経ち、成長して、
2人は出会いました。

いつも1人で
仲間はずれの弱気な少女に、

勇気をくれていつも
そばにいてくれた少年。

淡い想いを持った
2人でした。



残酷な現実、
2回めの別れでした。

再び運命の歯車が
動いたのです。




「もしも本当に
物語だったらね、

2人惹かれあって
ハッピーエンドだよ。」

だけど変わらず意気地なし
弱気な少女。

『しょせん物語なんて
妄想だよ。』

昔の少年は
どこにもいない。

だけど少女を救った
笑顔は変わってない。

少女はハッピーエンドを
願い続けました。






「もしも王子様と
お姫様ならば

2人惹かれあって
ハッピーエンドかな。」

そんな未来だけを夢見る
孤独な少女。

「まるで物語のように
恋をして

ずっと1人だけを
忘れられない。

なんて物語みたいな
お話なんだろ。」

それでもハッピーエンドを
願い続けました。





ある日、少年は少女の
『特別な人』になりました。

それはとある物語の
はじまりでした。