驚いたことに、さっきの男の子があたしが座る席の隣に座っていた。


『さっきはありがとう。お陰で間に合ったよ!』


足もつれまくったけど…。


「いや、いや、こっちも夢中だったから無理矢理引っ張って行っちゃってごめんね?」


も、もしかして心の声聞こえた!?


『う、ううん!むしろそうしてくれなきゃ間に合わなかったと思うし!!』


必死になってフォローしていると…


――「まもなく入学式を始めますので、生徒と保護者の皆様、着席下さい」――

「だってよ?とりあえず座ったら?」


慌てすぎて、まだ座るのも忘れていたあたしはその一言で大人しく席に着いたのだった。