あの人はなでしこの心の中に、 風のようにスッと入ってきて、 煙のように跡形もなく、 消えていきました。 町に出ても、あのきれいな 金色の頭を見ることは 1度もありませんでした。 「あなたの名前は、 なんと言うのですか?」 たまになでしこは つぶやきます――――。