美雪は足を進ませた。


「学校めんどくせー…」


もう12月。


寒さで指が凍えてしまう。


きゅっと指を握りしめて、息をはいた。


白に染まる空気を、ただ、ただ見つめる。


なんで、こんなに空っぽな気持ちなんだろ。


友達も、沢山居る。


今みたいに告られもする。


ただ…刺激的な出会いが欲しいのか。


好きな人が欲しいのか。


自分がわからない。


「みーゆき」


そんな時だった。


「…ぁ、杏里」


唯一心を許せる親友、杏里が声をかけてきた。