放課後、クラス委員だった私は、担任に雑用を押しつけられ、やっとその雑用が終わり、教室に荷物を取りに戻った。




教室から声がする。




騒がしい馬鹿笑い。




すぐにクラスの派手なグループのリーダー




秋山奈々の声だと分かった。




「ねぇ、奈央。何で長谷川なんかに告ったの?」




奈々が奈央の肩を親しげに叩く。




「美佳が、長谷川君好きだって言ったから。
私、人の好きな人って奪いたくなっちゃうんだよねー。」




醜い笑顔を浮かべる奈央。



今思い出したてもその表情は、私に不快感を抱かせる。




「まーじかよ。かわいそー美佳。」




手を叩いて笑う奈々とその仲間達。




悔しさで拳を握り締める。




でも私は、何も出来なかった。




たぶんそれ以上、惨めな思いをするのが嫌だったのだ。




奈央の私に対する悪業は、それだけだ。




確かに性格に難ありだが、地獄に落とす程のことをされたわけではない。




でも、本命を潰すための試験台、一番に彼女の顔が頭に浮かんだ。




奈央には、相手が悪かった事を悔やんでもらおう。




やるからには、徹底的に地獄に引きずり込むから、覚悟しろよ。




奈央。