俺が急いで傍に駆け寄った時には嘔吐した後だった。

うっと唸り、前に倒れかけた身体を抱き上げた。
気を失ったのか、苦しそうな顔をして涙を流し、俺の腕に全体重をかける、この女。

軽い・・・。
さっきも思ったが軽すぎる身体。
腕も、肩も、足も・・・細すぎる。

インターホンで使用人を呼び、何か着替えとベットの片づけをさせた。

「趣味・・・悪っ・・・。」

使用人が持ってきた着替えは真っ白なワンピースタイプの寝巻きだった。

それを着た女は人形のように見える。

真っ白な肌にピンク色のほっぺた。
大きな目は薄い茶色で、髪の毛もそれと同じように色素が薄い。
赤い小さな口には膨らみがあり、見るからに柔らかそう。

これ、すっぴんか??
女の顔を触る。
冷たい頬は子供のようにすべすべとした手触り。

本当に、このまま起きなきゃ人形だな。