何も答えない男から両手がにゅっと伸びてきた。

「ひゃぁっっ!」

伸びた両手は私の脇の下に入り、軽々と私を持ち上げ、ソファの自分の横に座らせた。

「お前・・・寒くねーの?」

「えっ??」

そう言われればスースーする。
でも、この部屋は外の木枯らしに関係なく凄く温かい。
でも、スースーする・・・。

自分の身体を見て急いでベッドに戻った。

「な・な・な・なぁ・・うぅ~~!!」

恥ずかしさのあまりに涙が出てきた・・・。

何で?!なんで下着姿なのよ!?

自分の下着姿にフラッシュバックする記憶。
一生懸命に服を抱えて震えて泣く自分と上から見下ろす男の陰。

あれは・・・昔の記憶・・・。

吐き気がわきあがる。

その場で嘔吐した私に、真っ黒な男は急いで飛んできた。
抱き上げられた瞬間に自分から意識を手放した。