ネコの通っていた香桜学院の姉妹校。
元は男子校だったのだが、つい5年ほど前から共立校になった。

社交界と言う場があまりに少なくなった日本財界の跡取り、娘が出会う場・・・。
まぁ、自由な見合いの場を作ったって感じだろう。

そのおかげで有名学院の割には、風紀はあまりよくない。

根っからのお嬢様・お坊ちゃまも少ない。
ネコの通っている学校こそが生粋のお嬢様校だろう。

「・・・ここ、私が通ってた所の姉妹校なの・・・。」

きまづそうにうつむくネコ。

みんな知ってるっての。

「だからだよ~簡単に転校が出来たの~。」
「転校って言ってもネコはまだ香桜の生徒だよ。授業を受ける場所を一時的に変えただけ。」

「そういう事。」

「お前、今は知り合いには会いたくねんじゃねーの?」

鈴の一言にネコが勢いよく顔を上げた。

「えっ・・・な・なんで・・・。」

自分の秘密がばれていると思ったのだろう。
俺達はまだ何も知らない。
ネコの目にはじょじょに涙の粒が溜まっていく。

「そりゃそー思うだろうが。家族に連絡する素振りもねーし。家出少女だろうが??別になんも気にする事わねーよ。居たいだけいりゃ良い。そう言っただろうが。」

そう言う俺の言葉にネコは複雑な表情を見せた。