「響。面白がってねーでちゃんと説明してやれ。」

「鈴が説明すれば~。」

「チッ。・・・お前、明日から俺らと同じ学校に通え。」

「鈴。説明になってねーて。」

「俺が説明するよ。」

春季くんが制服を私に渡してその場所に座り込んで目線を合わせてくれる。

「あのね、俺らが学校に行ってる間に、ネコを一人にさせるのは可哀相だと思って、俺らの学校にネコの席を用意したの。俺らもネコがいれば面白いし。だから、明日からは一緒に学校生活だよ。」

「・・・転校したって事??・・・」

「う~ん。大きな権力でムリヤリね。でも、ネコの保護者には連絡は行ってないから。これも大きな権力でね。」

「そんな事ができるの??・・・」

現実離れした春季くんの言葉にまじまじとみんなを見た、が全員が“俺を誰だと思ってるんだ?”そんな顔で笑っていた。

「あのね。俺達こう見えてもこれからの日本をしょって立つ政界・財政界のトップの人間なの。もちろん金もハンパねー。だから理事長にこう言ったんだよ。」
「“ネコが転校してこれないなら俺らは全員やめるよ。”って。お願いしてみたの。」

お願い・・・じゃないと思うけど・・・。

ニコニコ笑う響くんと春季くんにつられて笑いかえす。

その日は明日から学校と言う事でみんな早々に寝た。

初登校だから一緒に行ってくれるんだって。
少しワクワクとしながら眠りについた。