「ここ・・・どこ??・・・」

いや、本当。
ここ、どこ??

起きたら知らない場所に居るなんて、全人口の何%が体験するんだろう。
しかも、まったくもって身に覚えの無い、生活感のない、ラブホでもない場所。

少し動くと激痛の走る身体にムチを打ち、ベッドから降りる。
恐る恐る足を付けた床はしっかりと踏め、どうやら天国の入り口でもなさそう。

え~・・・
ここどこよ。
あっ、鍵かかってるし・・・。

ガチャガチャとバスタブの横にあるドアノブを回してみるが開かない。

「チッ・・。」

「おいっ。」

舌打ちをした瞬間に斜め後ろで声がした。

びくっっ!!

本当に、恐る恐る振り向く。

どうやら、唯一こちらに背を向けているソファから声がするようだ。

「?おいっ!起きたのか?!」

どうやら私に話しかけているらしい。

ガバッ!とソファから飛び出てきた男。
どうやら寝転がって居たのだろう。

「返事位しろよ。」

そう言い冷蔵庫から何かを取り出しこちらに歩いてくる。

ずっと下を向いたまんまの男の顔は見えない。
大股で歩いてくる大きな男との距離はなくなり、壁際に追い詰められた。

「そんなにびびるな。ほら。」

よく冷えているであろう、ペットボトルの水を差し出された。

ゴックン。

確かに・・・
凄く喉は渇いた・・・。