俺が甘かった。

まさかこんな事になるとは・・・。


離せなかったその小さな手を潰さないように、擦り寄ってくるネコを抱きしめた。
小さな体をうごうごとさせながら良い位置を探しているのだろう、やっと落ち着いたと思ったら“さむい・・・”と一言。

少し、体を起こしてベッドサイドのエアコンのボタンに手を伸ばした瞬間

「うぉっ!!」

おなかに冷やりと何かが触れる感触。

くっ・・・くすぐってぇ・・・

今まで握っていたTシャツから手を離し、俺の体にじかに触るネコの手。
サワサワと。何かを探すように・・・。

くすぐったいの限界が来そうな時にピタリと手を止めた。

心臓の位置で止まった手。

「ふん。」

何を満足したのか満足気味な表情で鼻で笑った。のもつかの間、もう一本の手で同じ事をする。


くすぐってぇ・・・!限界!


もう胸元までまくり上がったTシャツを脱ぎ、抱きしめてみる。

心臓の音が少し早目に俺の耳にも届く。


落ち着く・・・のか?

半分落ちかけた俺の意識。

ネコがまたもゴソゴソしだす。

「ん・・・。」

目を開けて確認するとパーカーを脱いだネコがいた。

細い肩に細い身体。
小振りな胸が当たると身体が反応してしまう。

「勘弁してくれよ・・・」


今、初めて、心から
目の前の女に欲情した。

最悪だ・・・。

俺はロリコンなのか・・・?!