「ご・ごめん・・・めんどくさい・・よね。ごめん・・・。」

・・・?

めんどくさいってなんだ??
この状況か??
確かにこの状況はめんどくせえ。俺にはどうしてもやる事ができねーし、泣き止ます方法すらわかんねー俺がめんどくせえ。

どうやら知らぬ間に何度も吐いていたため息からの発想らしい。

別に俺が気まぐれで拾ったんだ。
ネコはなんも悪くねえ。

それに、一回面倒見てやるって決めたのも俺だ。
あいつらも賛成だし。

ネコが気にしないように言葉を捜して話す。ゆっくりと。

俺の言葉にネコが安心したのか笑みを出す。

それからは眠たそうなネコをベッドに横たえ、俺も上半身を少し起こして横になりネコの話を聞いた。

学校の事、好きな食べ物、好きな事、仲の良い友達の事、得意な事、嫌いな物。

ちょうど朝日が差すであろう時間にネコが眠った。

小さな体に大きなタオルケットをかけてやる。
スヤスヤと、少し、幼いその顔に笑顔を残して眠っている。

その小さい体を抱きしめてみたくなる。
ただの興味。

化粧気のない顔。
傷みのない髪の毛。
無垢な肌。

起き上がろうとすると何かにつっかかる。

振り向いてみると俺のTシャツの裾を掴むネコの小さな手。

ぐっと一生懸命に握るその手を剥がそうとすれど、なかなかはがれない。
・・・本気で引き剥がす気はなかったのかも。