「お前・・・」
「あっ!あのっ!」

俺が喋りだす前にネコが喋りだした。

出て行く?・・・

まったく意味の分からない事を言い出す。
出て行けなんて微塵も思ってねえ。

ネコに伝えると“ありがとう”と言うネコの目に涙が浮かぶのが分かる。

ただ、自分の事を話して欲しい。

情報としてはいくらでも仕入れられる、けど、それはそいつの事を本当に知ったことにはならないと思う。

だから、直接聞きてえ。
明日でも、明後日でも、どれくらいかかっても。
ネコが話したくなるときに聞けたらいい。

・・・なんで俺はネコの事を知りたいって思うんだ??

泣き出したネコをどうしていいのかも分からず、困る。
ネコの目からボロボロとあふれる涙を拭おうにも触れて良いのかわからない。

元来、女の扱いが苦手な俺が、こんな小さい女の扱いを知ってるはすがねえ。
ちょっと力入れたら折れそうじゃねーかよ。

はぁ~。

知らず知らずででるため息。

俺のため息にネコの表情が固まった。