「おい。」

「は、はい・・・。」

急に二人きりにされた空気の重さにびくつく。

何を言われるんだろ・・・
いつまで居る気だ?とか??

「お前・・・」
「あっ!あのっ!今晩中には出ていくんでっ!居座る気とかなくて・・・。あのっ・・・。」

「・・・別に出て行かなくていいけど。」

「はっ!!・・・・・・・・へぇ??」

「だから別にでてかなくていい。好きなだけいたら良い。」

予想外の言葉に開いた口を閉じるのも忘れ日和くんを見た。

「それに、俺達全員にくんはつけなくて良い。敬語もいらねえ。」

「あ、ありがとう・・・。」

ツンと鼻の奥が熱くなった。
これからの事とか、どうしようもない現状とか、何一つ変わった事はないけど、頼れる場所がある事に泣きそうになった。

「ただ。」

泣きそうになった顔を見せたくなくて、後ろを向いた私の背中に声がかかる。

「ただ、お前の事をちょっとでも話せよ。今日じゃなくても明日でも、明後日でも良いから。」

「・・・。」

「おい??」

「うー・・・。うんー・・・。」

「はぁ-。なんで泣くんだよ。」

日和くんは振り向かせた私の顔を見て大きなため息をついた。

「うっ・・うぇっ・・ご・ごめん・・・泣き止むから~~~・・・。」

そのため息に泣き止もうと頑張るが、1度流れ出した物はなかなか引っ込まない。

「はぁ~・・・。」

また、ため息。

さっきの優しさとため息のギャップが恐い。

「ご・ごめん・・・めんどくさい・・よね。ごめん・・・。」

ため息を聞いて引っ込んだ涙を両手でぬぐう。