「ネコ!!これなんかどう?!」
「あっ!にいちゃんずりぃ!!俺もそれが良い!!」
「ネコはこれだよな~??」
「あ・・・もうちょっとシンプルなのが・・・。」
私の意見もお構い無しに連れてこられたのはファッションビルの何件かのお店。
長身に、よく見たら全員結構な美形揃いで、なおかつ髪の毛の色・・・
女の子のお店しかないこのファッションビルでは目立つ集団。
さらに目立つのが3人ともうるさい。
それに、私の意見もフル無視で自分の気に入った物を手当たり次第に買っていく。
すでに2件回っただけなのに1番大きなショップ袋を1人2つずつ持っている。
3件目でもそれぞれ気に入った物をどんどん買って行く。
唯一私の意見が一致したシンプルなTシャツは響くんが色違いを全色買っていた。
「あ、あの!!そんなにいらない!!それに・・・お金払えない!!」
恥ずかしさを我慢して大きな声で3人に向かって言った。
「え??お金??いらねーよ。」
響くんが白いふわふわとしたワンピースを私に合わせながら言った。
「えっ??・・・だって、これ、私のでしょ??」
「そっ。でもお金とろうなんて思ってないの~。」
「なんたって、俺達おぼっちゃま~。」
そう言いながら春季くんと秋季くんが見せてくれたのはブラックカード。
響くんもゴールドとブラックチュッとキスをする。
「ネコが欲しいって言うなら、このビルだって買えちゃうよ??買う??」
「い、いらない・・・。」
「ネコは気にしなくていいの!欲しい物なんでも言ってよ。」
「・・・・。」
「そーそー女の子は物欲がハンパ無いからね。」
「そーそーなんならブランドのほうが良い?!」
「・・・・。」
黙る私を響くんが覗き込む。
「ネコ??どした??」
「・・・なんでも良いの??」
「何でも良いよ。」
少し、悲しそうに笑う響くんのほっぺにそっと触れてみる。
「じゃぁ、一緒に買い物して??本当にいる物だけにして、一緒に悩んでお買い物して??・・・こんなに沢山いらないから。」