ひょいっ。

「わ、わぁっ!!」

また両脇を持ち上げられ、抱っこされる。

「ネコ軽い-。思った通り。」

ソファにそっと降ろされる。
相変わらず真っ黒な男は不機嫌そう。

辺りを見渡せばカラフルな頭が目に入る。

私を抱き上げた赤い髪の人が笑顔で説明をしてくれた。

「俺が響。こっちの金色は春季と銀色が秋季、で、双子だから色で見分けると楽だよ~。であの深緑の髪の毛が鈴、クールだからね、あんまり喋らないけどな。」

赤い髪・・・改め響くんが紹介をしてくれるのに合わせて、みんなが声をかけてくれる。

まるで何かのチームに入ったかのような扱い。

「あ・・・私・・寧子です。よろしく。」

何をよろしくするのかもわからずに転校初日のような挨拶をした。

「おい。これ。」

深緑の鈴くんが立ち上がり私に何かを差し出した。