二年生 7月

気が付けば、私も夏服になり、蝉がうるさく、風が恋しい。



私は今日もまた、職員室でプリントを見ていた。



そう。それは一度、時間がなくて、私が目を通さなかったプリントを配られたときのことだ。

みんな、最初からつまずいてしまい、結局、先生が解説するはめになってしまったのだ。

それ以来私は、先生に頼まれ、毎回プリントに目を通すようになった。



━━━ん?この問題…



「先生、この問題なんですけど…」

「ん?どれどれ?」

先生は、私の持っているプリントを、ずい、と覗き込んできた。



━━━わ



半袖なせいか、先生の空気を、肌で感じた。

私は内心驚き、あくまで自然にプリントを差し出し、距離を離した。

「えっと…これじゃ、解けないんじゃないでしょうか…。」

私は、必死に呼吸を調えて言った。