あたしの後に続いて
普通に向井さんが入る。



タオルくらい
くれたっていいじゃん…

拗ねた表情で
向井さんを睨んだ。

すると向井さんは
可笑しそうに笑う。


「その顔は逆効果だよ。」

「なっ…!!」


「怜奈の顔、真っ赤。」

向井さんは
あたしの頬に触れた。


向井さんのせいだって!!

なんて言えるわけなくて
あたしは少し
湯船に顔を埋める。


「お湯が熱いんです…」


「怜奈は
素直じゃないね。」

向井さんはそう言って
あたしの頭を撫でた。