「兄貴、もういいよ」


「え?」


「俺のこと‥ほっといていいよ。

兄貴には兄貴の人生がある。

俺のせいで人生を棒にふるなよ」


「何言ってんだよ‥

俺は別にそんなこと思って‥」


兄貴には最期ぐらい

ちゃんと言おうと思っていた


「奈津のことも‥幸せにしてやって」


「あいつはお前のことが好きなんだよ。

お前こそ早く目を覚ましてあいつを

幸せにしてやれよ」



この言葉を聞いて‥現実に引き戻された


兄貴も‥あいつも

俺を待っているのか?


俺を待ってくれている人が

ここにいるのか‥?