(中原 翔一君へ
私は佐々木 遥と言います。転校してきたばかりの中原君だからお願いしたい事があります。私をいじめないでください。私クラスの人達から「気持ち悪い。」とか「ガリ勉女。」とかいじめられています。
でも転校してきた中原君は私の事何にも知らないから、いじめないでください。お願いします。)
と書いてあった。
翔一は僕が読んでいた手紙を取り上げ、前の黒板を思いっきり殴りつけた。
クラス中の女子や男子はビックリしている。
「おい!お前ら全員に聞く。佐々木の事いじめてるヤツ手あげろ!
佐々木の何処が気持ち悪いねん!
ガリ勉女?お前らじゃあ佐々木に勉強勝てんのか?
調子のいい事ばっか言ってんちゃうぞ!」
女子達や男子達はキョトンとしている。
「佐々木?大丈夫か?
ちょっと俺に付き合ってくれないか?」
そう言い、翔一と遥ちゃんは何処かに行ってしまった。
担任が何の騒ぎだと入って来て、黒板を見るなりビックリしている。
僕はどうしても気になってしまい、二人の後を追いかけた。
行く先は学校の屋上だった。
僕は見つからないように隠れていた。
「なぁ。佐々木。俺、屋上って大好きやねん。誰も居ないし、息抜きには最高や!」
…。
「ありがとう。中原君。助けてくれて。」
「ホンマよく我慢したな!俺がもうちょっとはやく転校してきたら良かったのにな(笑)」
二人はそのまま教室に戻り、翔一は担任に、
「元木先生。あなたはそれでも教師ですか?生徒がいじめられていても何にも感じないんですか?」
といい残し席に座った。
黒板は大きくへこんでいる。

