ミカの

手が

トシキの

パーカーの下へもぐり

ベルトを

外しにかかる



カチャ

カチャン



金属のバックルが

冷たい音をたてる



(トシキ・・・ 愛してるよ・・・)



ミカは

トシキのジーンズの

ボタンをはずし

ジッパーを

おろして

トランクスに

手をかけた



すると

突然

トシキが

びくっと

動いた



どうしたの?



『ごめん・・・ ちょっと・・・ そういう気分になれない・・・』



トシキは

何もしなくていいんだよ?



『うん・・・ でも・・・ ごめん・・・』



言いながら

トシキは

腰のほうまで

下がっていた

トランクスを

ひっぱりあげ

ジーンズを

はきなおして

しまった



どうして?



ミカとするのいやなの?



『いやとかじゃなくって・・・ とにかく・・・ いいから・・・』



なんで?



ミカのこときらい?



『そういうのじゃないから ただそういう気分じゃないから・・・』



トシキは

おもむろに

起き上がると

ベッドへ行って

ミカと目を合わさないよう

壁のほうを向いて

寝ころんだ