アパートの前で

ミカは既に

待っていた



『トシキー 遅いー』



ぷっと頬をふくらませてみせるミカ



遅くなんかねえだろ

30分後って言ったじゃねえか



『そうだけどー ひさしぶりだしー おなかもすいたしー』



わかったよ

じゃあ早く

鍋の用意しようぜ



『うんっ!』



二人で

材料を切ったり

鍋をセッティングしたり

している間

ミカは

ちらちらと

トシキのことを

盗み見していた



こんな

機嫌いいトシキ

初めて

見るかも・・・



もともと

無口な人だから

あんまり

しゃべらないけど

いつもは

どこか

近寄りがたいような

オーラ出てるのに

今夜は

普通っぽいね・・・