「トシキ 今どこ? ミカ今日休みでヒマだし 行ってもいい?」



いつものように

一方的な

ミカのメールだった



ここのところ

ミカとはほとんど

会っていなかった



バイトが決まらず

不安定な気持ちで

誰とも

会いたくなかったからだ



しかし

このときの

トシキは違った



「今家に帰る途中だから あと30分後くらいに来るならかまわない」



メールを入力して

送信したら

すぐに

返信がきた



「マジ? じゃあ一緒にご飯食べよ お鍋でどう? ミカが材料買っていくから」

笑顔のデコメとハートマークに溢れたメールだった



「わかった じゃあ後で」



トシキは

コンビニに寄って

二千円の

ワインを買った



普段はめったに

アルコールを口にしないが

今夜くらいは

ミカの好きな

ワインを一緒に

飲んでもいいと

思った