『それじゃあ 早速だけど明日から来れる?』



トシキは

予想外の

質問をされて

思わず

聞き返した



えっ・・・ 明日から・・・ もう働かせてもらえるんですか?



『あぁ うちゃぁこう見えても毎日めっぽう忙しい店でねぇ こないだいきなり皿洗いの若いのが辞めちまったんで困ってたとこなんだ』



はい じゃあ もちろん 明日から・・・



よろしくお願いします!



シュンイチと会った帰りに

たまたま通りがかった

中華料理の店の前に

「皿洗いアルバイト募集」

の張り紙を見つけて

ふらっと入ってみた

トシキだった



ラッキーだったなあ



これでシュンちゃんから

もらった金を大切に使えば

バイト代入ってくるまで

十分もつだろ・・・



今夜は特に冷え込んでいるが

街のネオンが

心なしか

暖かく感じた



そのとき

ゆっくりとした足取りで

アパートへ向かうトシキの

内ポケットのケータイが

バイブで着信を告げた



ビィーッ

ビィーッ

ビィーッ



メールがミカから

届いていた



ヨウコのことが

一瞬頭をよぎったが

シュンイチに

言われたように

忘れるようにしようと

思った