『あの・・・その女・・・なんですけど・・・』



青山洋子って言ったな

俺んとこにも来たよ



『えっ 横井さんのところにですか!』



ああ お前のこと

聞かせて欲しいって

3日前だったかな

いきなり

尋ねてきやがった



『そうですか・・・』



お前にはなんて言ってきてんだ?



前の保護司の代理なんだろ?



『はい・・・ なんか・・・ 俺の力になりたい できることがあったら教えて欲しい、とかなんとか・・・』



(ふうん それだけなら普通だがな・・・)



で お前はどう答えたんだ?



『ほっといてくれ みたいなことを言いましたけど・・・』



(あの女、クスリのこと勘づいてやがらねえだろうな・・・)



トシよお



『はい・・・』



お前はあの女のこと考えると

なんか胸が苦しいんだな?



『はい・・・』



わけもなく

不安になったり

気がついたら

あの女のこと

考えてたり

するんだな?



『はい・・・』



トシ

それはな

おめえが

あの女に

恋してるんだよ



『恋・・・ですか?』



ああ 惚れたってことだ



『俺が・・・ヨウコさんに・・・恋をしている・・・』

トシキは

それだけつぶやいて

口を閉ざしてしまった