トシキ君・・・



行っちゃった・・・



ダメだなぁ わたしって・・・



彼を怒らせるつもりとか

嫌な気にさせるつもりとか

まったく

なかったのに

どうして

うまく言えないんだろぅ・・・



わたしは

ただ

本当に

彼のために

なにか

してあげたいって

そう思った

だけなのに・・・



いや ちがうのかな・・・



ちがうのかも・・・



さっき

トシキ君の

アパートの前で

彼を見たとき

仕事じゃない

気持ちが

わたしの

胸に

よぎった・・・



あの気持ちは・・・



もしかして・・・



そうなの・・・?



もう

長い間

忘れていた

こういう気持ち・・・



でも

そんなの

ダメでしょ・・・



わたしは

保護司の

代理なのよ・・・



彼の

更生の

手伝いを

しなきゃ

ならない

立場・・・



仕事なのよ・・・



仕事・・・

なのに・・・