青山洋子の

顔が

トシキを見つけて

にっこり

微笑んだ



トシキは

それには反応せずに

ジャンパーのポケットに

手を突っ込んだまま

洋子を見た



『こんにちは 吉沢俊樹君』



あぁ・・・



わざと素っ気なく返答するトシキ



『出かけるところだった?』



あぁ・・・




『もしかして 夕飯の買い物とか?』

ヨウコはくったくのない声で

次々と話しかけてくる



いや・・・

バイト・・・探しに・・・

行こうとしてた・・・



『面接に行くとこ?』



いや そうじゃない・・・



『いそいでるの?』



いいや・・・



『じゃあ そのへんで お茶でもしながら ちょっと お話していい?』



別に・・・

いいけど・・・



『じゃあ 行きましょ』



ヨウコは

来た道を

戻りだした



数メートル離れて

トシキは

ついて行った