ベッドの横の

目覚まし時計を見ると

まだ午前4時



のどがカラカラに

渇いているのに

気がついた



ゆっくりと

布団をはいで

キッチンへ向かう



さっきの夢が

まだなまなましく

現実感を持っている



呑みこまれていく

自分の意識のほうが

コップをかたむける自分より

現実のような気がする



オレンジジュースを

一気に飲みして

無理やり自分を

こちら側へ

引きもどす



もうベッドへ戻っても

眠れそうになかった



いつもそうだ

この夢で起こされて

もう一度

快い眠りに

戻れたことはない



ヨウコは仕方なく

テーブルの上に

おきっぱなしにしていた

仕事のファイルに

目を通し始めた



そこには

「吉沢俊樹」

と書かれていた