数日後の昼下がり

バイトをもう一つ

かけもちしようと

新しい情報誌の

ページをめくる

トシキだった



コンコンコン



ドアがノックされた



瞬時にヨウコのことを

思い出した



ガチャ



『こんにちは』



思っていたとおり

そこには

ヨウコが

立っていた



また きたのかよ・・・



急に激しくなる

鼓動を隠して

トシキは

わざと

つっけんどんに

言い放った



『ごめんね トシキ君のケータイの番号聞いていなかったし・・・ ファイルにあった以前の番号は変わっちゃってたみたいだったから・・・』



ああ そう・・・



で 今日は何なんだよ?



『こないだは わたしの言い方がまずかったのか あなたを怒らせるようなこと言ってしまってごめんなさい』



わざわざ

あやまるために来たのかよ?



『うん まずあやまりたくって それにもっといろいろと話をさせてほしいと思ってるの』



話? 

俺のことなら

ファイルとかなんとかで

もう全部

なんでも

知ってんじゃねえの?



『そうじゃなくって わたしのこともいろいろと話させて欲しいと思って』



ヨウコさんのこと?



トシキは

ヨウコが

何を言おうとしているのか

さっぱり

わからなかった