俺の名前は吉田。
吉田隆史(よしだたかし)。21歳。

大学は2年の時に中退。

いまは実家でのんびりフリーター生活満喫中。


リビングのソファーに横になりTVを見ていると、妹が帰ってきた。

「ただいま〜。
あ、お兄ちゃん、またTVみてるの?」

「別にいいだろ。」

「あー、このドラマ面白いよね!もう再放送やってるんだ!」

妹は持っていた荷物を放り投げ、ソファーの端に座った。

「このドラマ、過去にいって時代を変えるってやつだろ?」

「そうそう!過去にタイムスリップして歴史を変えちゃうって話。」

俺は起き上がりタバコに火をつけた。

「俺も過去にいけたら英雄になれるのになぁ〜。」

そう言うと妹が冷めた目でこっちを見た。

「絶対無理。お兄ちゃんじゃ過去に行っても時代を変えられないな。」

「そんなことねーよ! 絶対変えられるね。」

「絶対無理…。」

妹は俯いてボソっとそう言った。

「なんだおまえ、ケンカ売ってんのか?」

「じゃあ…」

「じゃあ?」

妹は急に顔をあげた。

「試してみる?」

その瞬間、妹の目が輝き、辺りは白い光に包まれた。