「だから、貴方にはあんなヤツより俺が相応しい。」


背後から男性の声が聞こえた

「誰?!」

振り向くとそこには学ランを着た男子生徒が手すりの向こう側の空中に浮遊し腕組みをして風華を見下ろしていた

「一ノ瀬風華。俺と一緒に行こう。」


「あなた…は…。」

「あぁ、俺は杉田風真(ふうま)。ちなみに君と同じ16歳。そして君と同じ様に風を操れる。」

「ま、まさか!そんなはずは!だって一ノ瀬家の女性しか…」

「女性しか引き継がれない?」

風真はくるっと一回転して屋上に降り立った


「確かにそう。俺は性別で言う所の男性だな。まあ、そんなのは定義でしかない。しかし、その定義からすると、俺はイレギュラーな存在だ。」