風華は立ち止まり、一度コートを正して歩き始めた 神谷の買ってくれたコートは心地よい肌触りで風華を少し落ち着かせてくれた 校門に近づくにつれ、学生の姿が増えてくる 少し離れた場所にクラスメートが風華に気づき怪訝そうに風華を見た 風華はそれに気づかないフリをして歩みを早めた 教室の前で風華は深呼吸をする 「水樹がいる。…大丈夫…。」 そう小さく呟く その時風華の右腕を痛い位力強く誰かが掴んだ 振り返るとそれはクラスメートの女子だった