風華は雨雲を勢いよく突っ切った バシュッ 風を切る音と共に雲が切れ、眼下の雲が真っ赤に照らされていた 夕日が雲を朱色に染め、まるで雲に溶けていく様に見えた 雲の下とは別世界だった そこは静寂に包まれ地球の鼓動が風となり呼吸している様だった 雲が風に揺れゆっくりと波打つ その上を風華は風に乗り猛スピードで翔んで行った