冷たい風に打たれて



「君が気に入ったからだ。例えば、同じく風の恩恵を受けているからかな。」


風華はまた冷たく言い放つ

「それは、確実に私以外にはいないわね。ありがとう、気に入ってくれて。でも、私はあなたが気にいらな…。」

その時、風真が風華の唇を奪う


「…んっ!!」

バチバチッ

強風が音を立てて二人を引き離す


ビュゥゥゥー


風華が風真を睨みつける

風が風華を守るかの様に二人の間に吹き付ける


「まあまあ、そんなに怒る事じゃないだろ?外国じゃ、挨拶みたいなモノじゃないか。」


風真は両手を顔の横でヒラヒラさせて、降参してみせた

風華はそれでも風真をまだ睨み続ける


「たかが、キスの一つ位で。減るもんじゃねーし。まさか、初めてじゃないだろ?」

その時、また風が強まる


「…まさか、お前…。」

風真が手を風華へ伸ばした瞬間

バチッ

「痛っ!!」

風が刃物の様に風真の指先を傷つけた

指先からはうっすらと血がにじむ