冷たい風に打たれて



部屋に戻ると風華はベランダへと出る


そして、都会の明かりの所為で星が全く見えない真っ暗な空を見上げる




――風がいつもと違う――


嫌な予感がした


何故かは判らないが心がざわめき立つ


その時だった


ヒュンと風を切る音がすると同時に人が目の前の空中で留まる


「よう!」

ベランダの向こう側で手を上げていたのは杉田風真と名乗った男子高校生だった

風華と同じく風を操る事が出来る男性だった


「何の用件ですか。」

風真を冷たい眼差しで見つめた


「一体誰からこの場所を?」


風真はそんな簡単な事を聞くのか、という表情だった


「そんなの簡単だろう。後をつけただけだ。誰にも気づかれずにな。例えば、あそこから。」

そう言うと風真は空を指差した


「プライバシーの侵害ですが。警察呼びますよ。」

「ははっ。君から警察の言葉が出るとはね。警察が来る前に逃げ切る事なんていとも簡単なのは君が一番分かっていると思うけど?」


風華はさらに冷たく風真を見つめる

「で、何故私に付きまとうのですか。」