ふと風華は上空を見つめ、一度険しい顔をするがすぐに笑顔で水樹に伝える

「あ、水樹。雨が降るわ。帰りましょう。」


水樹も空を見上げた

確かに今にも降ってきそうだった


「風華。降りそうだけ…」

そう言いかけた時、ポツンポツンと雨粒が降って来た

「本当に降って来た!早く校舎に入ろ!」

水樹は風華の腕を掴んで走り出した

屋上の扉を開け、二人は中へと入った





「「はぁ、はぁ。」」

息を切らすその場所の外では雨粒がガラスを激しく叩く音が聞こえた

「水樹、私これから用事があるから、今日はここで。」

「じゃ、また、明日。」

水樹はニコニコと風華に微笑む


「明日は、ちょっと来れないかも。」

「そうなんだ・・。」

残念そうにする水樹に風華が伝える



「今日はうちに迎えに来てくれて・・・本当に嬉しかった。・・・ありがとう。」


その言葉を聞いて水樹の顔が明るくなった

「また、迎えに行ってもいいかな?あ、その前に番号教えて。迎えに行ける日がこれですぐに分かるからさ。」

そう言うとケータイをフルフルと揺らした

風華は少し戸惑いながら頷く



「えっと・・。持っているけど、自分の番号が分からないの・・。」