冷たい風に打たれて


水樹はその声を聞いて小声で呟く
「やっぱり離さない方がよかったな…。」

「ん?何?水樹。」

「ううん。何でもない。」


「あのさ、一つ聞いてもいい?」

「何?」

「水樹は将来何になりたいかってある?」

「う~ん。そうだな…。親は医者になって欲しいみたいだけど、まだ、何になりたいか自分でもよく分からないんだ。でも、僕は好きな人の側にいれて、好きな人の笑顔さえ見ていれたら何だっていいかな。」


「水樹だったら何でも叶うのにそれだけでいいの?たったそれだけ?」


「でも、仮にいい仕事に就いても心が貧困だったら虚しくない?」

「……そうね。」


「でも、水樹なら何でもなれちゃいそうなのに。」


「一番は、やりたい仕事をして、好きな人とも一緒にいれればいいかもね。」


「そうね。」