冷たい風に打たれて



「なら、仕方がないわね。会食場所はどこ?それまでは自由時間にして。」

「そういう訳にもいきません。」


「ここ2週間政治家との謁見ばかりよ。たまには…。」


「一之瀬の後継者たるものの運命(さだめ)ですよ。貴方のお母様もおばあ様もこのようにやっていらしたのですから。」



解っている…



言われなくても




「しかし、午前中は大目に見ましょう。ただし、12時までには必ずお戻りくださいね!」

「神谷!!ありがとう!!」

後部座席にいる風華が珍しく笑顔だという事に助手席にいた神谷は見なくても気づいた