「ただいまー。春なのに夜はまだ冷えるな…」 数分後、有貴がリビングに戻って来た。 「そうか?最近は結構暖かいと思うけど」 ソファーに座ってテレビを見ていた俺は、頭を有貴の方へと捻らせた。 「またケーキ食うのか?」 有貴は冷蔵庫から残ったケーキを取り出してお皿に乗せている。 「いいじゃん。ケーキ美味しいんだから」 ケーキの乗ったお皿とフォークを持って、俺の隣に腰掛けた。