「……僕のコト、知ってる?」

「は、はい、もちろん…!クラスにもファンだってコ、いっぱいいます!!」

「敬語はやめてよ。確かに、僕は2、3コ上かもしれないけど…。でも、イトコなんだし、さ。ね?」

よく聞くあの言葉は、本当だった。



"テレビで見るよりカッコイイ。"



「……う、うん。じゃあ…。」

爽は、左腕に着けた時計に目を落とした。

「…っと、ごめん、僕、もうそろそろ帰らないと…。」

心臓はホッと溜め息をついた。

だが、心情は少し残念そう。

「あ、う、うん…。」

私は何も言えないまま。

風のように、去り行くのだろう…。

「…ね、ケータイ、持ってる?」





更莉は、今までで一番素敵な文字列を手に入れた。