ウチの学校は、
一日目にクラス出し物、
二日目に舞台発表と後夜祭を行う。



今日、ウチのクラスは、喫茶店をやる。
ちなみに、明日の舞台発表の宣伝を兼ね、それぞれの格好で。

そう。私は今、ロミオ。



「いらっしゃいませ。何になさいますか?」

クラスの子が仕立ててくれたこの姿は、中々ウケが良かった。



「更莉ちゃん」

私を呼ぶ声の方を振り向いた。

するて、そこには可愛らしい少女が立っていた……

長くてサラサラの髪。
ピンクのトップスに、
白いスカート。

大きな瞳に、長い睫毛。

「じゃ、取り合えず、クリームソーダ下さい。」

その少女は、にっこりと微笑んだ。



━━━いや、正確には、
"吉岡爽は、微笑んだ"
だ。



そう。

爽が選んだ手段は、
"女装"。



正直、かなり楽しみにしていたが……まさか、こんなに可愛いなんて…。



「木田さん!」