一度、聞くタイミングを失った私は、深く追求できなかった。



今も好きなの?



ただ、そんな疑問だけが、胸にこびりついていた。





「ねぇ、更莉ちゃん、ジェットコースター、乗る?」

「ジェットコースター?…ごめん、私、絶叫系苦手なの。」

そして、言った瞬間、"しまった、我慢してでも合わせれば良かった!!"とも思ったが、手遅れだった。

「あ、爽、乗りたかったら行ってきていいよ!私、この辺で待ってるから!」

そう、笑顔を心掛けて言った。

しかし、爽はクスッ、と笑って、

「いや、実は僕も苦手なんだ。でももし更莉ちゃんが乗りたいんだったら、僕もチャレンジしてみようかな、って。カッコ悪いとこ見せらんないと思ったんだけど、更莉ちゃんと同じなら、いっか。」

首を少しだけ斜めにして笑う爽に、またもやドキリとしてしまった。

そして"更莉ちゃんと同じ"という響きが、胸を微かに焦がした。

「じゃあさ」