でも今回は違った。
友梨でもないし、彰でもないし、みのりでもない。

題名には『初めまして』
『初めましてじゃないけど、メールでは初めましてだね。覚えてるかな?今日、保健室で会った千崎だよ。ビックリした??
いろいろ聞いて三浦さんのメアド知ったんだ。カゼは大丈夫かな?よければメールしてね!いつでもいいよ。』
千崎君?マヂで?てか普通に嬉しいのは何で?顔がニヤけるッ!
いろいろ聞いたって事は私とメールしたかったって事?
自意識過剰かもしれないけど。普通に期待しちゃうんだけど!!

ピピピピピピピッ…
人間の指の動きとは思えないくらい、スゴイ速度で返信する。
『心配してくれてありがとう(^-^)ビックリしたけど嬉しいよ♪これから、ちょくちょくメールしてもいいかなぁ??』

「そーしんッ!!」

それから私と千崎君のメールは続いた。
いつもなら飽きて、『ばいばい』って言うか寝る私なのに千崎君とのメールは全然、飽きない。このまま、ずっと時間が止まればいいのにって思う。
メールの内容なんて、
何クラス?とか好きな歌手の話だとか普通の会話なんだけど、それが楽しかった。彰と別れて1日しか経ってないのに。悲しくはなくなっていた。
というか、そんな事も千崎君のお陰で忘れていた。
もう夜も遅いから、しょうがなくメールをやめた。

1人で寝ながら、ふと思った。
千崎君は私が屋上で何していたか聞かないんだな。
そういえば、私泣いてたんだ。
そういえば、雨が降ってたな。
って目をつぶってみたら忘れてた事を思い出して。すっごく昔のように思えた。それは千崎君が居たからなのかもしれない。千崎君と出会ったからかもしれない。


~♪♪
非通知で電話が来たけど。絶対、彰だと思ったから無視した。

~♪♪
また電話がかかる。

~♪♪
「…ッ!!もぅ!何だよぉ!!」

ピッ!

「もしもし。彰!!マヂで迷惑!!もうわたしに近づかないでょ!」
「…ゴメン。千崎だけど…。」

「え??ごめん!!今の忘れて!何??」
「…えっと…そ、その…」
「ん?」
「…お、お、おっおやすみ!!」
「ぇ、うん。おやすみ。」

プチッ!ツ―…ツ―…

何だ?今の??
千崎君の「おやすみ」で
この日の夜はグッスリ眠れた。